

6世紀中頃に中国から「雅楽(ががく)」が伝来し、庶民の間で「散楽(さんがく)」として広まり、日本古来の芸能と混ざり合っていく過程で「猿楽(さるがく)」となって流行しました。
さらに鎌倉時代・南北朝時代を経てさまざまな芸能・踊り・歌と混ざり合いながら、14世紀・室町時代初期に「能」の原型が生まれました。
室町時代に観阿弥、世阿弥親子によりこの原型が集大成され、歌謡曲や美しい舞、ストーリー性が加わり「能」が完成されたといわれています。

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笛や太鼓による伴奏、地謡(じうたい)と呼ばれるコーラス隊に合わせて、舞台上の人物が舞いながら物語を展開していきます。
物語は歴史や古典文学を題材に歌と舞を中心に構成されますが、主役が亡霊や神など、「この世ならぬ者」を演じるという作品が多く、能にしかない世界観があります。
また能は「幽玄」(ゆうげん)という言葉で表される、優雅で柔和、典麗な美的情趣に彩られた象徴劇といわれております。 |


2001年、UNESCO(ユネスコ)の「人類の口承及び無形遺産の傑作」の宣言により第1回目の世界無形文化遺産に認定を受けました。
※日本では他に2003年に人形浄瑠璃文楽、2005年に歌舞伎が世界無形文化遺産に認定
能は室町時代に確立した当時の形式をほぼそのままに600年余りの間、口承により現在まで受け継がれている日本最古の古典芸能であり、また舞踏・劇・音楽・詩など現在につながるあらゆる芸術のエッセンスを凝縮している世界的に認められた日本が誇るべき素晴らしい伝統芸能です。 |